今回のテーマは、「おひとりさま」の終活について考えて見たいと思います。
いわゆる独居老人と呼ばれる世帯は増加傾向にあります。一人暮らしだからこそ終活をしっかりすることは重要です。
まず一人暮らしも方が必ずしなければいけないことは、遺言の作成です。どなたもお亡くなりになれば必ず相続が発生いたします。特に配偶者や子どもがいらっしゃらないおひとり様の場合は、正式な遺言書を作成しておくのが賢明だと思います。
ただ、配偶者や子、親はいても何らかの事情で縁が切れていて同居していない場合などは、「遺留分」という民法で認められた最低限の相続財産の取得分があるため、遺言書の内容通り分け方認められるわけではありませんので注意が必要です。
つまり「配偶者や子、親へ相続財産は一切残さない。自分のお世話になった方々に残す」と遺言書に書いたとしても、遺留分を主張されるとそれは実現しないということになります。
後々面倒な事にならないためには、その点に配慮して遺言書を作成される事をお勧めいたします。
民法で決められた法定相続人が存在しない場合、遺言書で指定されている人や債権者がいないときには、内縁関係にあった妻や事実上の養子、献身的に尽くしてくれた看護師さんや介護士さんといった「特別な縁故」があった人に財産が相続されることもあります。
遺言書が無い場合や債権者や特別な縁故者が財産分与の申し立てをしない場合などは、最終的におひとりさまの財産は国庫に帰属することになります。
民法で定められた遺言書には次の3つがあります。
1.自筆証書遺言
2.公正証書遺言
3.秘密証書遺言
1の自筆証書遺言は、2020年7月より、一定の書類を準備し、署名捺印することにより法務局が保管してくれる制度が始まりました。家庭裁判所による検認の手続きも不要になりました。
これにより、2の公正証書遺言より手間も費用も掛けずに安心して遺言書を預けることが可能になりました。
因みに公正証書遺言を作成するには、
・公証人役場に行く必要がある
・その際二人以上の承認が必要になる
・被相続人が口頭で伝える内容を公証人が文書にする。
・手数料がかかる
以上が主な手続きです。
3の秘密証書遺言は公正証書遺言と同じ手続きをとる必要がありますが、あくまでも遺言者本人の遺言書であると承認するだけで、内容までは確認しないため方式不備により無効となる危険性があります。実際に秘密証書遺言を作成する方は、全体の0.1%しかおりません。無効になるリスクがあるためです。
さらに注意しておかなければならないことは、正式な遺言書で法的に効力を発揮するのは「財産の相続(分割)」に関する部分に限定されるということです。
つまり、亡くなられた後の終活に関する手続き(死後事務)、葬儀やお墓などのご自身の意向については、遺言書とは別に準備しておく必要があるのです。死後事務に関することはエンディングノートにできるだけ詳しく書き込んでおくことをお勧めいたします。
ただし、エンディングノートも法的に効力を発揮するものではありません。より万全を期す場合は、
「死後事務委任契約」という死後事務手続きを代行する第三者を選定する方法もあります。
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